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居城の一室

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Light and Night・4

 2010年9月、某県某所。

 ぴんぽーん

 古い日本家屋が立ち並ぶ田舎町。
 オレはその中でも一際大きな屋敷のインターホンを押した。

『――はい、どちら様でしょうか?』

 スピーカーから聞こえてきたのは、覚えのある声だった。
 その声に、オレは思わず変に緊張してしまう。が、ここで逃げるわけにはいかなかった。
 深呼吸ひとつして、オレはインターホンの声に答える。

「…オレだ。久しぶりだな」
『……!?』

 突然、ぷつりとスピーカーが切れた。その代わりに、屋敷から慌てた様子の足音が聞こえてくる。
 それから数十秒と経たないうちに玄関から現れたのは、長い黒髪に和服の小柄な少女だった。
 彼女はオレを見た途端、目を丸くして唇を振るわせた。

「あきら、ねえさん…!」
「……よぉ、紗夜」

 大分女性らしく成長してはいたが、そこには変わらぬ面影を持つ妹がいた。




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Light and Night・2

 ヘビ女に襲われた夜、オレは道着を羽織らせた紗夜を抱えて帰宅した。
 傷だらけだった身体は不思議なことに、いつの間にか癒えていた。
 だが、紗夜はそうはいかなかった。外傷はとくになかったものの、相当追い詰められていたのか著しく体力を消耗させていた。
 オレたちの姿を見た義母さんは驚き、何があったのかと問い詰めてきた。
 当然だ。2人共制服が破れ、オレに至ってはそこから血の跡がある。
 オレは適当に言い訳して――それでも言いくるめるのは大変だったが本当のことは説明しづらい。あまりにも信憑性がなさすぎる話だ――困憊している紗夜を義母さんに託してオレは自室に篭った。


 

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Light and Night・1

 1992年9月 オレたちはこの世に生を受けた。
 同じ母から産まれた双子のオレたちは「明良」と「紗夜」と名付けられた。
 二卵性双生児の姉妹として産まれてきたオレたちだったが、小さい頃はよく「そっくりだね」と人から言われてきた。
 そういわれるたび、オレたちは嬉しかった。
 母は顔を覚える前に死に、忙しい父もオレたちに構ってくれることなどほとんどなかった。
 だから、いつも隣にいてくれるお互いの存在が「特別」であることが嬉しかった。
 この先もずっとずっと、いつも一緒にいるものだと、幼いオレたちはそう信じて疑わなかった。




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Light and Night・3

「な…なんだ、って…?」

 雪も解けた3月の終わり頃。
 終業式から帰宅したオレは、義母さんに呼び出され親父の書斎に通された。そこには、滅多に帰ってくることもない親父が厳つい表情で待っていた。
 その父の口から出た言葉に、オレは部屋の入り口で立ちすくみ凍りついた。

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極稀に変わる偽ステシ

岡・耶麻(さて私は何処でしょう)
(おか・やま)
運命予報(できない)士

『結社枠が足りない。』
明ちゃんレイナ様春美さん他若干名の背後にある残留思念。詠唱銀の振り掛け禁止。チョコと猫と幼女とノマカプと我が子をこよなく愛する。銀雨用メッセあったりします。お手紙でどうぞ。

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入学理由:能力者(てかフリスペ)のいる環境に憧れた

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