居城の一室
- (株)トミーウォーカー運営の商業PBWシルバーレインのPC静月・明良(b24511)、レイナ・クレイシャン(b25393)、中原・春美(b32109)の合同キャラブログです。
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CANDY
うーっす、静月だ。
あー…報告が遅れたが、オレは今月の初め頃より諸事情により居城を離れることになった。
ま、内部でトラブルがあったとかじゃないし、ちょっと行ってみたい結社があったから一番抜けてもよさそうな居城を出てったわけなんだが…。
あ、でもこれからもこのブログには顔を出すぜ?だって新しいブログ作るのメンドげふんげふん
そんなわけで、あまり変わらないけどよろしくな!
……えっと、追記は新しい居候先でのSS、かな?
あー…報告が遅れたが、オレは今月の初め頃より諸事情により居城を離れることになった。
ま、内部でトラブルがあったとかじゃないし、ちょっと行ってみたい結社があったから一番抜けてもよさそうな居城を出てったわけなんだが…。
あ、でもこれからもこのブログには顔を出すぜ?
そんなわけで、あまり変わらないけどよろしくな!
……えっと、追記は新しい居候先でのSS、かな?
カフェテラス【Chocolat de bonheur(ショコラ・デ・ボヌール)】、結社チョコレート愛好会の本拠地だ。
早朝で普段は誰も居ないはずのその店に、しかしその屋根裏部屋でもぞり、と動くものがひとつ。
毛布に包まり寝息を立てているチョコレート愛好会の現団長――本人としては団長代理、だが――である静月明良だ。
彼女はこの店の創立者である初代団長に頼み、少し前より店の屋根裏部屋に住み着くようになったのだ。
…本当は初代団長の家にこないかとも言われたのだが、そこまでは厄介になれないと彼女は断わった。そこに遠慮以外の感情があったのは言う間でもないのだが。
「ん…っ、ぁ、ダメぇ…」
もぞ、と寝返りを打ち、明良は寝言を漏らす。その寝言は妙に艶めいているようにも思える。
寝返りを打ったちょうどその角度に窓から差し込む朝日がかかり、まぶしそうに眉をひそめてうっすらと目を開ける。
「……ん?」
ぼんやりとした頭が夢の世界から抜け出し始める。夢気分から少しずつ冷静さを取り戻していく。
「――ッ!」
意識が現実に戻り、夢の内容を思い出した途端に彼女はばさっ、と赤い顔を隠すように毛布をかぶる。思い出したからだ。どんな夢を見ていたのかを。
ちなみに、どんな内容なのかは本人の名誉の為ここでは詳しく語らない。若きことは良き哉。思春期思春期。
「……学校、行かなきゃ…」
しばらくして少し落ち着いたのか、毛布から顔を出した。このまま起きたくなどないのが本心だが、現実はそう優しくない。学校に通うのは学生の義務だ。時計はいい加減ベッドから出なくてはいけない時間を指していた。
簡単に設えたベッドから起き上がり顔を洗いに洗面所へと向かう。歯を磨き、顔を洗って目を覚ませば部屋に戻ってパジャマを脱ぎ、着替えを始める。
憎たらしいと思うほどに成長した胸にサラシを巻いて潰し、今日は何を着ようかと旅行鞄に詰め込んである衣服を漁る。
「いい加減、住める様に部屋片付けなきゃダメかな…」
一時的に住まわせて欲しいと言ったけどさ、と呟き彼女は苦笑する。
今日は何を着ようか。確か昨日の服はまだ洗濯していなかったっけと考えながら服を探すと彼女は一着の服を引きずり出した。
「……あ」
引きずり出した服を見て彼女の動きが止まった。
それは、今月の初めに誕生日であった自分に送られた洋服であった。華美ではないものの、細かいところまで凝った作りのそれはデザインが彼女の好みに合ってて最近のお気に入りの一着である。
だが、彼女がそれを気に入っているのはデザインが気に入っているからだけではない。
それは、彼女の想い人から贈られたものだった。好きな人が、自分の為に作ってくれた服。
「……」
別に、今朝変な夢を見たから気になるというわけではない。…多分。
だが、この服を見て胸が締め付けられるような気持ちになるのは…何故?
顔を隠すように服に顔を埋め、明良は静かに眼を閉じる。この服を送ってくれた相手を想いながら。
最初は、ただ傍にいれればいいと思っていた。自分を想ってもらえなくてもいいと思っていた。想ってもらえるなんて、思えなかったからだ。
だが、最近はどうだろうか。それに満足していない自分に気がついている。
もっと自分を見て欲しい。自分だけを。
気になるものの一つじゃなくて、誰よりも気に掛かる存在になりたい。
彼に想われたい、愛されたい。
誰よりも特別な存在として。
「愛してる」って、言われたい。
――――――――――
「あきらめよ」と 諭す回路に 君がそっと侵入してきて
何食わぬ顔で 夢をチラつかす
上手に包んで仕舞ったものが 「飛び出したい」と疼いてる
痛い記憶を最後に 寝たふりしていたくせに
――――――――――
「…我侭すぎるだろ、オレ…」
はは、と嘲笑を漏らす。
それが叶うことはないのだ。少なくとも、今は。彼の隣はまだ誰のものでもないのだから。
だから、甘えちゃいけないんだ。彼の好意に甘えてそこにない夢なんて見てはいけないんだ。
夢の中の彼は、好きだと、愛してると囁いてくれる。現実でも一瞬そんな夢想を抱くこともある。
だが、それは現実ではない。それは彼女だって理解している。
だから彼の好意を拒絶してしまう。都合のいい幻想から逃げるために。
本当は、彼の腕の中は心地いいのに。
――――――――――
柄でもないけど 会えると嬉しいよ
悩んだ末に思いを飲み込む日々
ほろ苦いキャンディーが まだ胸のポケットにあった
気付かせたのは君
――――――――――
『欲しいと願っても、自分から手を伸ばさなければ手に入りませんよ』
唐突に、前の住処にいた友人の言葉を思い出した。いつも知った風な顔をしている――いや、あるいは知っているのかもしれない。恋愛のにおいをかぎ分ければどこにでも出没するような人だ――二つ上の先輩。
男の気配を感じさせない彼女だがしかし時に核心を突くような事を言う。客観的な目で多くの恋を観察していたからだろうか。
わかってる。そんなことはわかってる。でも…。
でも、なんだ?どうすればいいのかわからないから?同じ相手を想う友人に遠慮するから?
……自分が傷つきたくないから?
ピピピピピピピピピ
唐突に鳴り響く電子音に明良ははっと我に返った。
携帯を開いて見ればそろそろ朝食を食べ終わっていないといけない時間。今から急いで身支度をしないととてもじゃないが間に合わない。
「――やべっ!」
急いで服を纏い、簡単に髪を整えると昨日買っておいた菓子パンを無理やり頬張って学校用の鞄を手にして部屋から飛び出していく。
―――誕生日祝いに貰った服を、ベッドの上に放り投げたままで。
―――――――――――
甘酸っぱいキャンディーが まだ胸のポケットにあるんだ
君が食べておくれ
(CANDY / Song by Mr.Children)
早朝で普段は誰も居ないはずのその店に、しかしその屋根裏部屋でもぞり、と動くものがひとつ。
毛布に包まり寝息を立てているチョコレート愛好会の現団長――本人としては団長代理、だが――である静月明良だ。
彼女はこの店の創立者である初代団長に頼み、少し前より店の屋根裏部屋に住み着くようになったのだ。
…本当は初代団長の家にこないかとも言われたのだが、そこまでは厄介になれないと彼女は断わった。そこに遠慮以外の感情があったのは言う間でもないのだが。
「ん…っ、ぁ、ダメぇ…」
もぞ、と寝返りを打ち、明良は寝言を漏らす。その寝言は妙に艶めいているようにも思える。
寝返りを打ったちょうどその角度に窓から差し込む朝日がかかり、まぶしそうに眉をひそめてうっすらと目を開ける。
「……ん?」
ぼんやりとした頭が夢の世界から抜け出し始める。夢気分から少しずつ冷静さを取り戻していく。
「――ッ!」
意識が現実に戻り、夢の内容を思い出した途端に彼女はばさっ、と赤い顔を隠すように毛布をかぶる。思い出したからだ。どんな夢を見ていたのかを。
ちなみに、どんな内容なのかは本人の名誉の為ここでは詳しく語らない。若きことは良き哉。思春期思春期。
「……学校、行かなきゃ…」
しばらくして少し落ち着いたのか、毛布から顔を出した。このまま起きたくなどないのが本心だが、現実はそう優しくない。学校に通うのは学生の義務だ。時計はいい加減ベッドから出なくてはいけない時間を指していた。
簡単に設えたベッドから起き上がり顔を洗いに洗面所へと向かう。歯を磨き、顔を洗って目を覚ませば部屋に戻ってパジャマを脱ぎ、着替えを始める。
憎たらしいと思うほどに成長した胸にサラシを巻いて潰し、今日は何を着ようかと旅行鞄に詰め込んである衣服を漁る。
「いい加減、住める様に部屋片付けなきゃダメかな…」
一時的に住まわせて欲しいと言ったけどさ、と呟き彼女は苦笑する。
今日は何を着ようか。確か昨日の服はまだ洗濯していなかったっけと考えながら服を探すと彼女は一着の服を引きずり出した。
「……あ」
引きずり出した服を見て彼女の動きが止まった。
それは、今月の初めに誕生日であった自分に送られた洋服であった。華美ではないものの、細かいところまで凝った作りのそれはデザインが彼女の好みに合ってて最近のお気に入りの一着である。
だが、彼女がそれを気に入っているのはデザインが気に入っているからだけではない。
それは、彼女の想い人から贈られたものだった。好きな人が、自分の為に作ってくれた服。
「……」
別に、今朝変な夢を見たから気になるというわけではない。…多分。
だが、この服を見て胸が締め付けられるような気持ちになるのは…何故?
顔を隠すように服に顔を埋め、明良は静かに眼を閉じる。この服を送ってくれた相手を想いながら。
最初は、ただ傍にいれればいいと思っていた。自分を想ってもらえなくてもいいと思っていた。想ってもらえるなんて、思えなかったからだ。
だが、最近はどうだろうか。それに満足していない自分に気がついている。
もっと自分を見て欲しい。自分だけを。
気になるものの一つじゃなくて、誰よりも気に掛かる存在になりたい。
彼に想われたい、愛されたい。
誰よりも特別な存在として。
「愛してる」って、言われたい。
――――――――――
「あきらめよ」と 諭す回路に 君がそっと侵入してきて
何食わぬ顔で 夢をチラつかす
上手に包んで仕舞ったものが 「飛び出したい」と疼いてる
痛い記憶を最後に 寝たふりしていたくせに
――――――――――
「…我侭すぎるだろ、オレ…」
はは、と嘲笑を漏らす。
それが叶うことはないのだ。少なくとも、今は。彼の隣はまだ誰のものでもないのだから。
だから、甘えちゃいけないんだ。彼の好意に甘えてそこにない夢なんて見てはいけないんだ。
夢の中の彼は、好きだと、愛してると囁いてくれる。現実でも一瞬そんな夢想を抱くこともある。
だが、それは現実ではない。それは彼女だって理解している。
だから彼の好意を拒絶してしまう。都合のいい幻想から逃げるために。
本当は、彼の腕の中は心地いいのに。
――――――――――
柄でもないけど 会えると嬉しいよ
悩んだ末に思いを飲み込む日々
ほろ苦いキャンディーが まだ胸のポケットにあった
気付かせたのは君
――――――――――
『欲しいと願っても、自分から手を伸ばさなければ手に入りませんよ』
唐突に、前の住処にいた友人の言葉を思い出した。いつも知った風な顔をしている――いや、あるいは知っているのかもしれない。恋愛のにおいをかぎ分ければどこにでも出没するような人だ――二つ上の先輩。
男の気配を感じさせない彼女だがしかし時に核心を突くような事を言う。客観的な目で多くの恋を観察していたからだろうか。
わかってる。そんなことはわかってる。でも…。
でも、なんだ?どうすればいいのかわからないから?同じ相手を想う友人に遠慮するから?
……自分が傷つきたくないから?
ピピピピピピピピピ
唐突に鳴り響く電子音に明良ははっと我に返った。
携帯を開いて見ればそろそろ朝食を食べ終わっていないといけない時間。今から急いで身支度をしないととてもじゃないが間に合わない。
「――やべっ!」
急いで服を纏い、簡単に髪を整えると昨日買っておいた菓子パンを無理やり頬張って学校用の鞄を手にして部屋から飛び出していく。
―――誕生日祝いに貰った服を、ベッドの上に放り投げたままで。
―――――――――――
甘酸っぱいキャンディーが まだ胸のポケットにあるんだ
君が食べておくれ
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自己紹介:
極稀に変わる偽ステシ
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(おか・やま)
運命予報(できない)士
『結社枠が足りない。』
明ちゃんレイナ様春美さん他若干名の背後にある残留思念。詠唱銀の振り掛け禁止。チョコと猫と幼女とノマカプと我が子をこよなく愛する。銀雨用メッセあったりします。お手紙でどうぞ。
理性□□□■◇感情
狡猾□□□■□純真
秩序□□□■□自由
計画□□□□■行動
仕事□□□□■遊び
入学理由:能力者(てかフリスペ)のいる環境に憧れた
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運命予報(できない)士
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理性□□□■◇感情
狡猾□□□■□純真
秩序□□□■□自由
計画□□□□■行動
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